Jean Calvin, Institutio Christianae Religionis (1559), 2. 17. 3, in Guilielmus Baum, Eduardus Cunitz, Eduardus Reuss (eds.), Ioannis Calvini Opera Quae Supersunt Omnia; 2, Corpus Reformatorum; 30, Brunsvigae: C.A. Schwetschke, 1864, p.388
(渡辺 信夫訳『キリスト教綱要』第1篇・第2篇, 東京: 新教出版社, 2007年, 改訳版, p.578)
〈要約〉
カルヴァンによれば、「キリストが服従によって我々のために神の前に恵みを獲得し、また功績をあげたもうた」ことは、「聖書の多くの箇所」に証言されている。カルヴァンは、ローマの信徒への手紙5章10~11節を引用し、「罪の故に我々を憎んでおられた神は、御子の死によって神は宥められ、我々に対して慈しみ深くなられた」と述べている。また、カルヴァンはその少し後のローマの信徒への手紙5章19節にも注意を促している。そこでは「アダムの罪によって我々は神から遠ざけられて滅びに入れられたが、同様にキリストの服従によって、我々はあたかも義人であるかのように慈しみの内に受け入れられた」と語られている。