Five Solas

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

Friedrich August Hayek The Road to Serfdom Foreword to the 1956 American Paperback Edition

Friedrich August Hayek The Road to Serfdom Foreword to the 1956 American Paperback Edition
【関心・疑問】

【論文名】
III 一二年後の『隷属への道』

【著者名】
Friedrich August Hayek (田総 恵子訳)

【書名・(巻・号)・出版社・出版年・(版)】
Bruce Caldwell (ed.), The Road to Serfdom: Text and Documents, The Collected Works of Friedrich August Hayek; v. 2, Chicago: University of Chicago Press, 2007, Definitive ed.
(山中 優監訳『政治学論集』ハイエク全集; 第2期第5巻, 東京: 春秋社, 2009年)

【本文の構成】
第一部 自由主義の再興にむけて
 I 歴史家とヨーロッパの未来
 II モンペルラン協会の誕生――開会演説
 III 一二年後の『隷属への道』
  1 英米での反応――その顕著な相違
  2 英米間での知的状況の相違
  3 本書がアメリカで読まれるべき理由
  4 「自由主義(リベラル)」という語の混乱をめぐって
  5 戦後イギリスの社会主義政権は本書への反証か?
  6 依存心の増大という危険な兆候
  7 社会主義全体主義という鬼子を生む
第二部 自由主義とはなにか
 IV 自由主義社会の秩序はどうあるべきか
 V 経済的自由の理想はどう受け継がれてきたのか
 VI 自由企業における道徳的要素
 VII 自由主義――その歴史と体系
第三部 歴史と概念の正しい理解
 VIII 歴史と政治
 IX 「社会的」という言葉――それはなにを意味するのか
 X 政治思想における用語の混乱
第四部 議会制民主主義の改革
 XI 自由主義国家のあり方
 XII 経済的自由と代議制政体
 XIII 民主主義はどこへゆく

【内容の要約(ページ数)】

【引用したい文章(ページ数)】
 熱烈な社会主義は過去のものとなったかもしれないが、その構想のいくつかは現代の思想の全体構造にあまりに深く浸透してしまっているので、安心してはいられない。理想的な青写真にもとづいて社会を根底から作りなおそうとする人は、西側世界にはもういないだろうが、それでもまだ多くの人びとが、経済を全面的に再構築することは意図しないまでも、その効果が蓄積されれば期せずしてそれと同じ結果を生んでもおかしくないような政策を信じているようだ。また、長期的に見て自由社会の維持とは結局相いれなくなるような政策が、今では本書の執筆当時よりも、政党の枠を超えて広く支持されてきている。ときには矛盾する理想の数々が「福祉国家」の名の下でごた混ぜにされ、それが社会主義にとって代わって社会改良の目標となってきている。しかし、それが正真正銘社会主義と同じ結果をもたらすことがないかどうかについては、慎重に見極める必要がある。福祉国家のめざすものが実現不可能だといっているわけでもなければ、賞賛に値しないといっているわけでもない。しかし、同じ目標をめざすにしても、他にも数多くの方法がある。ただ、現在の風潮では、早く結果をだしたいと焦る気持ちから、個々の目的を達成するには効率がよいかもしれないが、自由社会の維持という点では不向きな方法を選んでしまう危険がある。時間はかかるかもしれないけれども、一般的な法の支配の修正によってできることを、行政による強制や差別化で行おうとしたり、財政的な誘導策を賢明に活用すれば自生的な結果を促進できるかもしれないのに、国家による直接介入や独占制度の創設という手段に訴えたりする傾向が目立つようになっているが、それは社会主義の時代から引き継いだものがまだ強力に残っているということであり、これからも長きにわたって政策に影響を及ぼしていくだろう。(pp.49-50)

【コメント】