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主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

Friedrich August Hayek The Fatal Conceit 9

Friedrich August Hayek The Fatal Conceit 9
【関心・疑問】

【論文名】
第9章 宗教、伝統の守護者

【著者名】
Friedrich August Hayek (渡辺 幹雄訳)

【書名・(巻・号)・出版社・出版年・(版)】
W. W. Bartley III (ed.), The Fatal Conceit: The Errors of Socialism, The Collected Works of Friedrich August Hayek; v. 1, London: Routledge, 1988, pp.135-140
(『致命的な思いあがり』ハイエク全集; 第2期第1巻, 東京: 春秋社, 2009年, pp.203-211)

【本文の構成】
序論 社会主義は間違いだったのか?
第1章 本能と理性のあいだ
第2章 自由、所有、そして正義の起源
第3章 市場の進化――交易と文明
第4章 本能と理性の反逆
第5章 致命的な思いあがり
第6章 交易と貨幣の神秘的な世界
第7章 われわれの毒された言語
第8章 拡張した秩序と人口増加
第9章 宗教、伝統の守護者
補遺A 「自然的」対「人工的」
補遺B 人間の相互作用の諸問題の複雑さ
補遺C 時間、構造の発生と複製
補遺D 疎外、落伍者、寄生者の要求
補遺E 遊戯、ルールの学校
補遺F 人口の経済学・人類学についての覚えがき
補遺G 迷信、伝統の保存

【内容の要約(ページ数)】

【引用したい文章(ページ数)】
 宗教と、われわれの文明を形成し促進してきた諸価値、たとえば家族や個別的所有との疑いえない歴史的な結びつきは、もちろん、宗教それ自体とその種の価値とのあいだになんらかの内在的な結びつきがあることを意味しない。過去二〇〇〇年にわたって、宗教の開祖たちのあいだには所有や家族に反対する者が多かった。しかし、生きのこっているすべての宗教は所有や家族を支持するものである。それゆえ共産主義の前途は、それがアンチ所有かつアンチ家族で(またアンチ宗教でも)ある以上有望ではない。というのも、私の信ずるところでは、共産主義はそれ自身、いいときもあったがいまでは急速に衰退している一つの宗教だからである。共産主義社会主義の国家でわれわれが目の当たりにしているのは、宗教的信念の自然選択がいかにして不適応者を処分するかである(1)。(p.137; 邦訳p.207)

【コメント】
 キリスト者は聖書的なものと非聖書的なものを識別することを求められている。その上で、聖書に反する部分は受け入れない一方で、反しない部分については、相手の立場を考慮しつつ、検討すべきであろう。
 ハイエクは、道徳、慣習、法、市場、言語といった社会的な制度について、本能によってもたらされたものではなく、また理性によって作為されたものでもなく、長い歴史の中で徐々に自生的に進化し、成ったものであると考える。この点に関しては受け入れることは出来ない。
 とはいえ、ハイエクの学説全体を遮断し、無視すべきではない。社会主義福祉国家の路線の誤りが明白になった今、聖書的な経済政策とは何かを考えるにあたって、ミーゼスやハイエクといったオーストリア学派の経済思想から学ぶべきことは多い。