Five Solas Ministry

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

Friedrich August Hayek The Road to Serfdom Ten

Friedrich August Hayek The Road to Serfdom Ten
【関心・疑問】

【論文名】
第十章 なぜ最悪の者が指導者となるのか

【著者名】
Friedrich August Hayek (西山 千明訳)

【書名・(巻・号)・出版社・出版年・(版)】
Bruce Caldwell (ed.), The Road to Serfdom: Text and Documents, The Collected Works of Friedrich August Hayek; v. 2, Chicago: University of Chicago Press, 2007, Definitive ed., pp.157-170
 (『隷属への道』東京: 春秋社, 1992年, pp.173-197)

【本文の構成】
第一章 見捨てられた道
第二章 偉大なユートピア
第三章 個人主義と集産主義
第四章 計画の「不可避性」
第五章 計画化と民主主義
第六章 計画化と「法の支配」
第七章 経済統制と全体主義
第八章 誰が、誰を?
第九章 保障と自由
第十章 なぜ最悪の者が指導者となるのか
第十一章 真実の終わり
第十二章 ナチズムの基礎としての社会主義
第十三章 われわれの中の全体主義
第十四章 物質的条件と道徳的理想
第十五章 国際秩序の今後の展望

【内容の要約(ページ数)】

【引用したい文章(ページ数)】
 英国で「ファシズム」体制が樹立されるようなことがあったら、イタリアやドイツのそれとはまったく異なる形態になるだろう、ということはもちろんそうだろう。このような体制への移行が暴力なしに行なわれるとすれば、確かに善良なタイプのリーダーが生まれることも期待できるかもしれない。また、かりに私がなんらかのファシズム体制のもとで生活しなければならないとするなら、私は疑いなく、他のどの国の人間よりも、英国人によって運営されるファシズム体制で暮らしたいと思う。しかしながら、だからといって、ファシズム体制は英国で樹立されるのなら、その本来的な形態とはまったく違うものになるだろうとか、はるかに耐えやすいものとなるだろう、ということにはならない。様々な面から考えて、現在存在する全体主義体制の最悪の特徴と思われるものは、偶然的な副産物ではなく、全体主義が遅かれ早かれ生み出すに違いない現象であることは、ほとんど疑いのないところである。どんな民主的な統治者であっても、国民の経済活動を計画化し始めるやいなや、独裁的な権力をふるうか、それとも計画を放棄するかという二者択一に直面してしまうのと同様に、どんな全体主義的独裁者も、その体制を運営し始めるやいなや、通常の道徳を無視するか、それとも運営に失敗するかの二者択一をせざるをえなくなるだろう。まさにそのゆえにこそ、全体主義へと向かっている社会においては、不道徳で自己抑制力のない人間が権力の座へ登るようになるのである。このことが理解できない人は、全体主義自由主義体制とがいかに決定的に違うものであるか、集産主義と西欧個人主義文明とで社会全体の道徳的雰囲気がいかに究極のところで違うものであるか、まだ完全に把握できていないのである。(p.158; 邦訳pp.175-176)

【コメント】