Five Solas Ministry

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

聖書研究 列王記上10章1~13節

聖書研究 列王記上10章1~13節(新共同訳 旧約pp.546-547)

(1) シェバの女王の来訪(1~5節、10~13節)

「ソロモンの知恵は東方のどの人の知恵にも、エジプトのいかなる知恵にもまさ」(5章10節)り、「その名は周りのすべての国々に知れ渡っ」(同10節)ていた。そのため、「あらゆる国の民が、ソロモンの知恵をうわさに聞いた全世界の王侯のもとから送られて来て、その知恵に耳を傾けた」(同14節)。
 その中でも、シェバは、「極めて大勢の随員を伴い」、女王自らが「エルサレムに来た」(2節)。シェバは今日のアラビア半島南西にあった国家で、当時知恵の本山と考えられていた。シェバの女王は、「難問をもって」ソロモンを「試そうとして」(1節)、「あらかじめ考えておいたすべての質問を浴びせた」(2節)。それに対し、ソロモンは「そのすべてに解答を与え」、「分からない事、答えられない事は何一つなかった」(3節)。このことはソロモンの知恵が国際的普遍性を持つものであったことを示している。
 また、シェバの女王は、ソロモンの知恵だけでなく、「彼の建てた宮殿」(4節)や「食卓の料理、居並ぶ彼の家臣、丁重にもてなす給仕たちとその装い」(5節)の華やかさにも驚き(5節)、ソロモンに「金百二十キカル、非常に多くの香料、宝石」を「贈った」(10節)。
 主なる神は、御前に謙り、「善と悪を判断することができるように」「聞き分ける心」を求める人に(3章9節)、知恵だけでなく幸いをも与えて下さる方である。

(2) 公正と正義を行うために与えられている知恵(6~9節)

「二十年を費やして二つの建物、主の神殿と王の宮殿を建て終わった」(9章10節)後、ソロモンの心には以前とは違う様子が垣間見られる。
 シェバの女王の言葉には、「あなたの御事績とあなたのお知恵」(6節)、「あなたの臣民」(8節)、「あなたの前に立ってあなたのお知恵に接している家臣たち」(8節)、「あなたを王位につけることをお望みになったあなたの神、主」(9節)というように、ソロモン個人に対する称賛が非常に目立つ。
 ソロモンに与えられた知恵は、本来主なる神の「僕」(3章8節)として主なる神が「お選びになった民」(同)に「公正と正義」(9節)をもって仕えるためのものであった。にもかかわらず、それはいつの間にかソロモン個人と王室のための道具となっていた。ソロモンの堕落についての記述は11章から本格的に始まるが、彼の心の変化の兆しはそれ以前からあった。
 ソロモンの心の変化は私達自身を振り返らせる。私達は主なる神の恵みを自分の安逸と成功のための道具としてのみ用いてはいないだろうか。