Five Solas Ministry

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

聖書研究 使徒言行録15章12~29節

聖書研究 使徒言行録15章12~29節(新共同訳 新約pp.243-244)

(1) 主なる神の言葉に基づくヤコブの提案(12~21節)

 バルナバパウロが「自分たちを通して神が異邦人の間で行われた、あらゆるしるしと不思議な業について」(12節)報告すると、ヤコブが口を開いた。ヤコブは、イエス・キリストの弟で(マルコによる福音書6章3節)、エルサレム教会の指導者として仕えていた。
 ヤコブは、「預言者たちの言ったこと」(15節)をもとに(16~18節、アモス書9章11~12節)、先に語ったペトロやパウロ達の証言を支持した。彼は、主なる神が「異邦人の中から御自分の名を信じる民を選び出そうとなさった」(14節)ことを、旧約の預言の成就と受けとめたのである。
 それ故、ヤコブは「神に立ち帰る異邦人を悩ませてはなりません」(19節)と説いた。彼は、救いの条件として割礼を付け加えることについて、異邦人が主なる神に立ち帰るのを妨げ、主なる神の恵みを無にすることであると判断した。
 その一方で、ヤコブは、律法を全面的に否定したわけではなかった。彼は、異邦人のキリスト者に対し「偶像に供えて汚れた肉と、みだらな行いと、絞め殺した動物の肉と、血とを避けるように」(20節)手紙で勧告することを提案した。律法と預言者に基づいたヤコブの提案をユダヤ主義者も反対することは出来なかった。
 ヤコブは、主なる神が行われた御業を、聖書の言葉に照らして吟味する忠実な指導者であった。聖書の言葉と聖霊の働きの上にしっかりと立っている教会は決して揺らぐことがない。

(2) 使徒会議の決議(22~29節)

 ヤコブの提案は「使徒たちと長老たち」、そして「教会全体」の同意を得た(22節)。彼らは、「アンティオキアとシリア州とキリキア州に住む」(23節)異邦人のキリスト者に話し合いの結果を伝えるため、「パウロバルナバと一緒に」「バルサバと呼ばれるユダおよびシラス」を「アンティオキアに派遣することを決定した」(22節)。
 エルサレムの教会が異邦人の教会に書き送った手紙の内容を見ると、異邦人のキリスト者のことを「兄弟」(23節)と呼び、共にイエス・キリストを信じる仲間として認めていることが分かる。その上で、「聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました」とあり、会議で確認された事柄が記されている(28~29節)。
 ここで明らかにされているのは、聖霊がこの会議をもって導かれたという事実である。救いに他の条件や資格を付け加えることは、異邦人に臨まれた聖霊を否定することであり、主なる神の御心を否定することに他ならなかった。教会は、イエス・キリストを信じることによってのみ救われるという真理を、どんなことがあっても捨ててはならない。罪人を救われた主なる神の愛と恵みに応え、この福音を宣べ伝えていこう。