Five Solas

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

飯山『アメリカ福音派の変容と政治』p.82

飯山『アメリ福音派の変容と政治』p.82
【関心・疑問】

【論文名】
第2章 福音派の形成とリベラリズムへの反応

【著者名】
飯山 雅史

【書名・(巻・号)・出版社・出版年・(版)】
アメリ福音派の変容と政治――1960年代からの政党再編成』名古屋: 名古屋大学出版会, 2013年, pp.61-115

【本文の構成】
第1章 先行研究と分析の枠組み
 第1節 宗教と政治の関わりに関する先行研究
 第2節 統合モデル
 第3節 宗教への帰属と福音派の定義
 第4節 政党再編成理論
第2章 福音派の形成とリベラリズムへの反応
 第1節 福音派の形成
 第2節 リベラリズムの拡大と福音派の反応
第3章 福音派と政党対立構造の変容
 第1節 1960年代の政治変動と未完の政党再編成
 第2節 宗教右派運動と政党再編成
 第3節 イデオロギー対立の激化と福音派の新たな変容
第4章 政党再編成――イデオロギー争点の形成と福音派の変容が生んだ政党支持基盤の変化
 第1節 争点と政党再編成
 第2節 福音派の変容と政党再編成
 第3節 3つのBによる統合分析
第5章 福音派変容のプロセス――世代交代によって変化した政党支持傾向
 第1節 問題の設定と仮説
 第2節 世代交代と転向による変化
 第3節 福音派の新たな変容
結論
 第1節 まとめと結論
 第2節 今後の展望
補論1 プロテスタント教派の歴史と分類
補論2 変数の説明

【内容の要約(ページ数)】

【引用したい文章(ページ数)】
 さらに、南部最大の教派である南部バプテスト連盟が福音派に加わり、北部で敗北した原理主義者たちが南部を拠点にして原理主義運動を拡大したことから、福音派は南部と強く一体化していった。(p.82)

 これに対して、当時の主流派はアメリカの白人プロテスタントそのものであり、プロテスタントアメリカのエスタブリッシュメントだった。主流派はその名前の通り米国社会と文化の主流を担い、社会経済的にも中流以上の教派が中心だった。1980年代に至るまで歴史上のほとんどの大統領は主流派教派から出ているし、連邦政府が発足した1789年から1992年まで、連邦最高裁の歴代判事112人のうち55人は聖公会か長老派である(Johnson, 1997, p.969)。地域的にも、主流派教派は北部中心に広がっていて、開発が遅れ蔑んで見られていた南部にはあまり浸透していなかった。(p.82)

 こうして、プロテスタント内部に走った亀裂の保守の側には、貧困層アウトサイダーと南部の教派が、近代主義の側には中、上層階級の教派が集まることになった。これにより、表2-2で見られるように、福音派と主流派の間では、社会階層や地域においても深い亀裂が重なるようになったのである。(p.82)

【コメント】