Five Solas

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

住田『カルヴァン政治思想の形成と展開』p.31

住田 博子『カルヴァン政治思想の形成と展開――自由の共同体から抵抗権へ』東京: 新教出版社, 2018年, p.31

「ウィリアム・モンターはジュネーヴ史研究の古典『カルヴァン時代のジュネーヴ』(1967年)において、その理由を次の3点に求め、カルヴァンの支配的地位が彼自身の資質というソフトパワーによるものだったと理解する。すなわち第1に、ジュネーヴには彼に対抗できるような教養のある人物はほとんど存在しておらず、雄弁ないし独立の精神を持った人物となると皆無であったという理由である。そのためカルヴァンの手法に不満を抱いたとしても筋を通して反対できる人物がいなかったという。第2に、説教が公的な伝達の主要な様式のひとつであった時代において、カルヴァンと同僚たちがそれを独占していたという理由である。1550年代には、ジュネーヴの4つの教会において平均して毎日12回の説教が行なわれていたが、そのすべてはカルヴァン派の牧師たちによって主導されたものだった。第3に、ジュネーヴではカルヴァン自身の強い意志によって徹底的な教化が実行されたからである。これは教会による市民教育という方法によって実現された」