Five Solas

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

近藤『デモクラシーの神学思想』p.76

近藤 勝彦『デモクラシーの神学思想――自由の伝統とプロテスタンティズム』東京: 教文館, 2000年, p.76

「しかしそれにしても、カルヴァンの政治論と近代デモクラシーの関係を『密接にして直接的』と言い得るかどうかはやはり疑問である。カルヴァンには、自由や私有財産の擁護はあるが、まだ近代的な人権の主張、教会と国家の分離、宗教的寛容の主張などは見られない。そのためには一七世紀までまたなければならなかった。その間カルヴィニズムも多様化し、変貌する。カルヴァンと近代デモクラシーの間には、その意味で、『巨大な割れ目』とは言わないまでも、なお不連続性がある。つまり、カルヴァンと近代デモクラシーの関係には、連続性と不連続性、密接と疎遠、直接と間接の両面がある。この両面があるからこそ、カルヴァンの神学は、近代デモクラシーに対して形成的ならびに批判的な原理として作用し得るのである。そこに『カルヴァンとデモクラシー』という論題が、カルヴァンにとっても、今日のデモクラシーにとっても依然として意味を持ち続ける理由がある。同様のことは、さらに包括的に言えば、『デモクラシーとプロテスタント神学』というテーマ全体について言い得ることであろう」