Five Solas

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

住田『カルヴァン政治思想の形成と展開』p.60

住田 博子『カルヴァン政治思想の形成と展開――自由の共同体から抵抗権へ』東京: 新教出版社, 2018年, p.60

カルヴァンにとって、人間の自由意志を主張することは全く好ましいことではなかった。神への完全なる服従と委任こそが自由になるための道である。自分の判断力を当てにすることは、依り頼む価値のない人間的能力の範囲内へと人間の自由を限定してしまう行為である。しかも、遵守不可能なほど過酷な律法が課されている場合には、自分の救いについて真剣に思いつめている人ほど、『自分が自由にされていると考えるには程遠いところに立っている』。誠実に考えれば考えるほど人は救済の確信から離れてしまう。そして苦しむ。これをカルヴァンは、『人の良心をわなに絡ませる』ことと表現した。自分の狭い人間的能力ではなく無限の権能を有する神にすべてを委ねたときのみ、限りない解放が約束されるのである。人間の本性を論じた次の言葉が、そのことを側面から証明している」