Five Solas

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

入船「日本におけるカルヴィニズムの確立」『カルヴァンを継ぐもの』pp.16-17

入船 尊「日本におけるカルヴィニズムの確立」橋本 龍三, 春名 純人編『カルヴァンを継ぐもの』日本カルヴィニスト協会二十周年記念論文集; 1, 東京: すぐ書房, 1978年, pp.16-17

〈引用〉
 カルヴィニズムは、聖書の語る全側面から人間を見ようとする。だから性急な結論を好む者は常につまずく。堕落の悲惨さを主張する点で徹底しているが、人間は堕落したとは言え、神に造られた存在としてその特性を失ってはいない。したがって、カルヴィニズムは人間の価値を不当に傷つけはしない。宗教的道徳的活動において、人間は、造られた者としての価値を発揮するし、「地を従わせよ」(創世記一章28節)との文化命令にも服して、文化を築きつづけて来たのである。しかし、生ける神に服そうとしない宗教活動は、偶像崇拝や自己開発の一手段になったりして、決して栄光を神に帰する礼拝にならない。道徳的能力もまた、人間の生得的能力や価値決定者としての自己の絶対化につながる、危険性を持っている。さらには、文化的所産も、その輝かしさゆえに、人間讃美や文化に膝をかがめさせる、人間絶対化への契機となりやすい。