Five Solas Ministry

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

住田『カルヴァン政治思想の形成と展開』pp.77-78

住田 博子『カルヴァン政治思想の形成と展開――自由の共同体から抵抗権へ』東京: 新教出版社, 2018年, pp.77-78

〈引用〉
「闘う教会」は勇ましい名前とは裏腹に、武器を執って戦うことを想定したものではなく神の言葉を最大の武器として神の国の到来のために働くものである。「闘う教会 ecclesia militant」は「勝利した教会 ecclesia triumphant」の対義語と捉えられる。「勝利した教会」は完全な姿になった教会のことを指し、天上の教会に極めて近い概念である。それに対して「闘う教会」は、未だ途上の段階にある信者から成る教会である。天上ならぬ現世に存在し、現世的な諸要素との関わりを持たざるを得ない「闘う教会」には、権力や組織を備えた世俗当局や、神の意を体現しない他宗教との対決という視点が要請された。物理的な力や組織力、権力への注目はこのような状況ゆえに出てきたものであり、それ自体では目的というより手段というべきものである。カルヴァン神学が目指すものはあくまでも神の意思の実現と、選ばれた者が神の民にふさわしい心と態度を備えることであった。