Five Solas Ministry

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

村田充八 宗教の発見 第四章

村田充八 宗教の発見 第四章
【関心・疑問】

【論文名】
第四章 カルヴィニストの信仰と日本社会

【著者名】
村田 充八

【書名・(巻・号)・出版社・出版年・(版)】
『宗教の発見――日本社会のエートスキリスト教阪南大学叢書; 88, 京都: 晃洋書房, 2010年, pp.97-169

【本文の構成】

第一章 宗教的人間と社会の分析視角
第二章 生駒の民間信仰と聖性
第三章 日本社会とキリスト教の影響力
第四章 カルヴィニストの信仰と日本社会
第五章 日本社会の宗教動向と社会的エートス
補遺 キリスト者の人生
書評

【内容の要約(ページ数)】

【引用したい文章(ページ数)】
 人は、現実の生活のなかで苦難に遭遇するとき、しばしば、「苦難」の原因を探り、その終末論的救いが何によってもたらされるかを追求する。人は、現実の耐え難い「苦難」に対し、それは、自分を超えた聖なる存在(キリスト教の場合は「神」)が与えた「苦難」であると解釈する(89)。と同時に、いつの日か、近い将来に、「神」が究極的な平安を与えられると考える。人は、乗り越えることもできないような不幸(「苦難」)に対し、終末の時に与えられる幸福(「恩寵」)を思い描くことによって、不幸から解放されるのである。(p.129)

 カルヴィニズムの教理は十六世紀の宗教改革(Reformation)の時代までさかのぼることができる。宗教改革マルティン・ルター(Martin Luther, 1483-1546)は、「信仰のみ」(Sola Fide)、「聖書のみ」(Sola Scriptura)、「万人祭司」主義の三点を教理の中心に据えた。ジャン・カルヴァン(Jean Calvin, 1509-64)は、「徹底した『神認識』と『自己認識』の重要性を説き、聖書を唯一の基準として長老制に基づく教会改革を行った(114)」。Sola Fideの視点は、人は、「神の一方的な恵み、『恩寵のみ』(Sola Gratia)によって与えられた主イエス・キリストの十字架の死と復活にあずかることを通して、主イエスへの信仰によってのみ義と認められるとする(『信仰義認』の主張)(115)」。また、カルヴィニズムは、「聖書のみ」(Sola Scriptura)、すなわち、「救いの唯一の基準は神の言葉である聖書のみによるとし、聖書こそキリスト者の信仰と生活の究極の権威であるとする(聖書の権威性の主張)(116)」。少なくとも、「改革派」の「自覚的」キリスト者は、このような宗教改革の精神を堅持しようとするであろう。(pp.141-142)

(114) 拙稿「宗教改革」、森岡清美・塩原勉・本間康平他編『新社会学辞典』有斐閣、一九九三年、六七一-六七二頁、参照。引用同書、六七二頁。以下の引用は、同箇所。
(115) 拙稿「プロテスタンティズム」、同書、一二八七頁。
(116) 同書、一二八七頁。(p.168)

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