Five Solas

主なる神の言葉である聖書を、あらゆる事柄に関する最高権威、人生における規範とし、イエス・キリストを主とする神の国(支配)の拡大と完成を願っています。

村田『宗教の発見』p.176

村田 充八『宗教の発見――日本社会のエートスキリスト教阪南大学叢書; 88, 京都: 晃洋書房, 2010年, p.176

〈引用〉
 今日の若者に対し、最も大きな影響を与えていると考えられるものは、社会経済的なレベルにおけるエートスである。日本社会には、功利主義的な「資本の論理」というエートスが貫徹されている。それは、「宗教」ともいい得るようなプラグマティズムエートスであり、日本の若者は、それによってがんじがらめにされている。教会の子どもたちでさえ、受験戦争、刹那的な娯楽、物質的豊かさへと駆り立てられる。彼らは、物ごとを功利的に考え、教会の礼拝に出席することや聖書によって与えられる恵みを価値あるものととらえることができない状態にある。
 日本社会のような異教的社会において、キリスト教信仰を貫くことは困難なことである。教会の若者は、そのような世俗的エートスが貫かれた社会のなかで、生きていかねばならない。その場合、何よりも重要なことは、世俗的エートスにさらされている無防備な若者を支援・訓練し、筋金入りのキリスト者を育てることである。しかし、今日、若者を支援・訓練すべき教会や家庭にも問題が生じてきている。それは、教会や家庭が伝統的にもっていた若者を支援・訓練するシステムが弱体化していることである。
 次世代を担う若者にキリスト教の信仰を継承させていくことについては、教会と家庭における支援・訓練が重要となる。教会においても少子化がすすんでいるなか、教会の少ない子どもたちに信仰を確実に継承させ、教会を次世代に伝えていくためには、教会と家庭における若者の支援システムの復興と訓練の確立が何よりも大切となろう。

四 宗教的「癒し」を求めて――戦後日本社会における宗教動向より

 戦後、一九五〇年代、六〇年代の経済成長期は、創価学会立正佼成会などの組織化が進展し、「旧新宗教」が拡大した時期である。七〇年代の石油ショック以後、宗教の領域では、「新新宗教」が「雨後の筍」のように成立した。江戸末期に遡り得る天理教金光教、戦後、組織を拡大し大組織化の道を歩んだ創価学会立正佼成会などを「旧新宗教」と考えるなら、「新新宗教」は、「旧新宗教」とは異なり、小規模で、「霊能」や「呪術」を重んじ、教祖との強い結合のうちに擬似家族的に展開される比較的小さな教団を特性としているとされている。